強がりな元姫様



「翼っ…今までごめん。 浩輔、殴ってしまってごめん! 舜もごめんな!! こんな…最低な俺を……もう一度、受け入れてくれ…るか……?」


「当たり前だよ! 雛菊の副総長は翔太しか務まらないよ!」


翔太と浩輔は声をあげて泣き出した


オレもなんだか目頭が熱くなってきた


「……お前も泣けば?」


優しい微笑みで星夜が言う


「――……男三人が大泣きって見苦しいでしょ」


冗談みたいに言うも、笑えなかった


「……ぁー…ハハハッ」


偽りで泣くとかはこれまであったけど、これは本当に泣きそうだ


どれが本性かわからないオレが引き離した感情


それが戻ってきたような気分だ


オレは小さく笑い声をあげていた


「だけど、静かに泣くぐらいはいいよな?」


「あぁ」


頭をあげて片手で両目を覆う


その隙間から一筋、流れ落ちた