強がりな元姫様



「なんで……」


翔太の掠れた声


「……これ、遥が好きな曲だ。 なんで、舜が知ってんだよ」


顔を押さえて泣くのをこらえている


「……舜、じゃない。 俺が聞いたんだ」


答えたのは浩輔


「調べてた時に遥、小さく口ずさんでてさ、少し話をした」


「浩輔、お前……」


「俺を殴った時の顔が怯えているように見えた。 実際に遥を人質にされたみたいだし…また、脅されるんじゃないかって思ったんじゃないの?」


「……っ!」


「……知らなかった。 翔太はまどかからの圧力を一人で背負ってるなんて、よほど苦しんでるなんて……」


ボロボロと目から涙を流しながら浩輔は頭を下げた


「ごめん。 仲間なのに、勝手に苦手意識持っちゃって…俺、最低だ!」


「な、なんで浩輔が謝るんだよ。 もとはと言えば俺が「翔太」」


遮ったのは翼


眉を潜めて、ジッと翔太を見据える