「……そ、そう」
翔太はニコリと笑顔を浮かべて近づき、
「俺はてっきり翼に肩を持ったんじゃねぇかと思ったわ」
俺の両肩に手を乗せた
「……まさかぁ」
「だよな。 安心したぜ」
ハハハ、と笑いながら翔太は保健室を出て行った
迫力が無に近い今の大河に対して迫力充分の翔太だ
「もうそろそろ昼休み終わるね。 まどかちゃん、教室まで送るよ」
「うん!」
嬉しそうに保の横を歩く、まどか
「俺、片付けておくから。 行ってていいよ」
「……あぁ」
フラリと大河が歩き出す
「浩輔」
「な、何?」
最後に残っていた舜が俺の肩の手を乗せて顔を近付けてきた
「ポーカーフェイスしろよな」
と囁かれ、心臓が跳ね上がった
舜は口角を上げて保健室を後にする
その後ろ姿を座り込んだ俺は眺め続けた
side end.