「……ここに誰かいたような気がするんだけど?」
まどかの声がやけに近い
私と星夜が隠れたのとほぼ同時だった
その場所は遥が目を閉じている窓際のベッドが右側にあるなら隠れている場所は左側
中に入ってすぐに出っぱりみたいな壁があり、まどかから見ての反対側にいるのだ
壁の幅は私の肩幅よりは少し広いだけ
動いただけでも見えそうだから身動ぎもできない
星夜もじっと息を潜め、私も抱き締めた体制のまま動かない
早い鼓動はまどかが中に入ってこないかの不安や焦りだろうか
それともこの状態だからだろうか
前者か後者かはたまた両方か
……後者だったら不謹慎きわまりないよ
それよりも、息が…苦しくなってきた
「やっぱり、気のせいか。 遥ちゃんに友達とかいないもんねー」
まどかは冷たく言い捨てて、ドアを閉めた
中に入っては来なかった