「――……フッ、クククッ」
クスクスと馬鹿にするような笑い声
「翔太がまどかのお願いを果たしてくれるまで、遥ちゃんは持つかしらぁ~?」
「!?」
まどかがコツコツと靴を鳴らしている
「!? まどかが来るっ!」
小声で言った鸞に焦りが見えた
「か、か、隠れられる場所は……!?」
焦っても靴音が止まることはない
「死角になる場所はいくつかある。 急げっ!」
「はいっ!」
「死角って、どこっ!?」
「要するにまどかの目に入らなければいいって事だろ」
星夜の声に緋麻里、浩輔、鸞が足音を立てないように動き出した
「翼も急げ」
「でも隠れる場所が……」
……カタッ
ドアが開く!?
「! 翼、息を止めろ」
「……っ」
星夜に腕を掴まれ、引かれた瞬間、
ガラッ
ドアが開いた