強がりな元姫様



「な、何? 何が……」


星夜は人差し指を唇に当てる動作を見せた


静かにしろって事?


その動作の意味がすぐにわかった


「――……あれぇ、翔太どぉしたのぉ?」


この猫なで声…まどか!?


倉庫にいたはずじゃなかったの?


トントンッ


肩を叩いたのは隣にいたのは浩輔


{保から。 まどかが病院に帰ると言っていた}


と、打たれたスマホ画面を見て、嫌でも納得するしかなかった


「……まどか」


ドア越しでぐぐもっていたが聞こえた


「頼む! 遥の手術をするよう言ってくれ!」


「……まどかの条件を呑んだらって言ったよね」


「あぁ、言ったな。 だが、他に何が欲しいんだよ!? 姫の地位も周りの味方も得ただろうが!! 何が足りないって言うんだよ!!」


怒りと悲しみが混ざったようで声が固くなっている


次第に翔太の声が弱々しくなっていった