強がりな元姫様



嫌な予感がする


「も、もしもしっ」


〈翔太もそこにいるっ!? 大変なんだ! 遥が……!!〉


浩輔の声が焦りで裏返っていた


「何があったの! まさか…発作!?」


「っ!?」


翔太の顔が真っ青になっていく


「ウソだろっ…遥ぁ!!」


叫んで屋上を飛び出していった


私も早く追いかけないと


「私もすぐに向かうから!」


電話を切って後を追いかけた










「――……何とか治まりましたが、このままでは危険です」


個室の外で医師から言われた言葉


「なんでしてくれねぇんだよ! 遥を危険な目にあわせてんのはてめぇらだろうがっ!!」


静かな廊下に翔太の怒鳴り声が響いた


「それともなんだ、病院の娘に脅されているから義務を放棄してんのかよ!?」


「「「……!」」」


話をしている医師看護婦の顔が青ざめた