お互いに無言のまま、病院の屋上に移動した
屋上に着くなり、翔太はフェンスに体重をかけた
翔太、何を言うのかしら
いつもなら、
『なんでテメェがここにいるんだよ!!』
って怒鳴るのに、今の翔太の後ろ姿が弱々しい
言う様子なんて見られない
「……俺ん家、五人兄弟なんだ」
そう言って、私を見る翔太の表情は穏やかだった
「成人を越えた兄二人と遥と幼稚園年少の弟。 女は遥だけだから皆が遥には甘いんだ。 俺もだけど」
笑いながら言うが、すぐに悲しげに表情を歪ませる
「遥は元々心臓が弱いんだ。 昔から入退院を繰り返して、これまでの学校生活なんてまともに送れなかった」
翔太の言葉一つ一つに遥に対する思いやりが伝わってくる
「一応、手術すれば普通の生活ができるんだ。 家族も遥も手術を望んでいる。 だが……」
「手術は一向にしてくれない?」
「……」
悲しげに縦に頷いた



