強がりな元姫様



「オレ強いんだよねー! ババ抜きの鸞、という別名があるくらい」


「なんですか、今明らかに作ったようですけど全然カッコよくありません」


「その別名で呼ばれたいか?」


「浩輔さん、ゲームなんですから気を落とさないで下さい」


「……俺、ババ抜きで始めに抜けた事ないんだ」


「ドンマイ、浩輔」


明らかに落ち込んでいる浩輔を笑いながらなだめる鸞


次何やるか盛り上がっている中、スライド式のドアが開いた


「遥! 待たせたな、お前が欲しいと言っていた新刊買ってきたぞ!」


聞いた事がない位に明るい声


「小説とか、なかなか見つかんな……!?」


すぐに私達がいたのに気付き、立ち止まる


「翔太君! 今日は、友達も連れてきたんですね」


遥が嬉しそうに言っていても翔太は固まったまま


「翔太君?」


「っ」


再度呼ばれた時には、顔が青くなっていた