「これがババね。 わかったわ」
カードを戻し、何回か切る
「つ、翼…もしかして、ババ抜きやった事ないの?」
「……ババ抜き以前にトランプに触ったのもはじめてよ」
この一言に皆の目が集まる
ババ抜きのルールなんて、遊んでた子達を遠巻きに見ていたものをあやふやだが覚えていた
小さい頃から友達なんていなかった
家が貧しいからって周りから一線置かれて、お金持ちになってからお金目的で近づいてくるし
まともな人なんて高校生になるまでいなかった
「――さぁ、鸞からどうぞ」
同じ数字のカードを取ってから鸞に見られないように前に出す
「……って、後二枚しかないじゃん! えぇー…どっちかなー?」
迷う素振りを見せた
そこからババ抜きが始まり、私は二番手で手持ちのカードがなくなった
順位は、鸞が一番手、私の次に緋麻里、星夜、遥、浩輔となった



