「わたし、緒方遥といいます。 翔太君の妹で中学生二年生です」
随分と礼儀の正しい子だ
まっさら過ぎて見ていると何だか辛い気分になる
「……私は高岸翼。 よろしく、遥さん」
「遥でいいですよ。 わたしも下の名前で呼んでいいでしょうか?」
「えぇ」
遥は無邪気な笑顔になった
「よろしかったら皆様の名前を教えて下さい」
「わかりました。 あたしは飯島緋麻里です」
「俺は新崎星夜。 後から来るのが三人いるから来たら紹介する」
「オレは冴木鸞。 仲良くしようね遥ちゃん」
「太宰浩輔です。 よ、よろしくお願いします」
「緋麻里さん、星夜さん、鸞さん、浩輔さんですね。 翔太君がいつもお世話になってます」
「いえいえ。 逆に世話になってたよ」
「そうなんですか」
「「「「……」」」」
鸞の発言に色んな意味が混ざっている
幸い、遥は言葉の意味に気づいていないようだ