「拒否権はナシ、か」
「もう慣れましたけど」
「今年は忙しいねー」
「……」
私は三人の会話をよそに鸞から渡された紙を広げる
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姫井病院
住所 ・・・・・・・・・
503号室 緒方遥-オガタ ハルカ-
※何かあったらオレに電話して
→TEL ・・・・・・・・・・・
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ここに翔太の"弱み"があるの?
「……どうするんだ?」
星夜の声でハッとした
まどかに遭遇する可能性がある
翔太にも話は聞いてもらえないかもしれない
それでも、
「私は行くよ。 翔太の抱えているものを解放してあげたい」
決意は決まっている
絶対に曲げたりはしない
クシャリと紙を握りしめた