「コイツらを連れてとっとと失せろ」
「は、はいっ!」
青ざめた男は倒れている二人の男を引きずりながらその場から離れて行った
「……」
「「……」」
誰も口を開かない
遠巻きに見ていた通行人達は何もなかったかのように横を通っていく
「……あ、これは終わったって言っていいのかな」
人混みを避けながら塁が走ってきた
「星夜、スタートダッシュ速かったから追い付けなくてね」
ごめんね、と付け足した
「せ、星夜、あたし思わず本気で殴ってしまいました」
「……護身だったら当然の結果だが、あれはやりすぎだな」
「う″…すみません」
緋麻里は頭を下げる
「緋麻里、右手見せて? 赤くなってるから」
「あ、はい」
差し出した右手を塁が両手で押さえるとポッと顔が赤くなった
「うん、これならすぐに赤みが治まるね」
塁に笑みを浮かべる



