「固い事言わないの!」
「ちょっとだけだから、ね?」
「「!」」
前に新たな二人の男が立ち塞がった
明らかに下心が丸見えだ
通行人は早足で通りすぎていく
関わるとロクでもない事態だろわかっているのだろう
「おれのダチも言ってんだから遊ぼうよ!」
最初に声をかけてきた男が私の肩に触れた
ゾクッ
背筋に悪寒が走った
「あの、彼女に触らないでいただけませんか!?」
緋麻里が男との間に入り込む
「あれー? 軽いスキンシップなんだけどなー」
男が悪びれもなくおどけた調子で言うと二人の男は下品に笑い出す
「じゃあ、行こっか」
「楽しもうぜ!」
二人の男が緋麻里の手を掴んだ
「離して下さい!」
「離して下さい、だって!」
「かっわい~」
「……せ………て……」
何かを呟き緋麻里の頭がカクンッと下がった



