強がりな元姫様



「皆いい人達よ。 だからこそ、白神の皆に私のそんな姿を見せたくない」


私は笑った


作ったわけでもない、引きつってもいない自然な笑顔でいれた


「あたしはどんな翼ちゃんでも受け入れる自信はあります!」


「ありがとう」


緋麻里とお互いに笑いあった


「――ヒューッ! キミタチできてるのー?」


冷やかしみたいな声がすぐ近くから聞こえてきた


ベンチの背もたれに手を当ててニヤリと笑っている男


染めた髪は痛んでるし、好印象は得られない


できてるって何が?


疑問に思ったが口には出さなかった


「違うんだったらいいんだよ! それより二人とも可愛いね! おれたちと遊ばない?」


「「……」」


これってナンパ?


そうだったら距離取った方がいいよね


「……私達、人を待ってるので」


「他をあたって下さい」


ベンチから立って男から離れようとした