「ありがとう。 私のために泣いてくれて」
私は緋麻里を抱き締めた
「確かに、復讐したいって思った。 だけど、今時点で不可能だってわかったの。
お父さんは今の家庭を大事にしてる。 母に値する人と顔の知らない妹の楽しそうな声を聞くとね、実感するしかないんだ。
雛菊は浩輔と冴木鸞から現状を聞いて追い討ちをかけてどうするんだって思った」
「……」
「それに、復讐は新たな連鎖を産み出すんだって。 私で止めないといつまで続くか分からないでしょ?」
復讐の根源は恨み
恨みの連鎖らは続く限り、凶悪に最悪となっていく
「……私はそこまで善人ではないよ。 すぐには許せるわけない。 だけど、絶対に復讐はしない」
「……そうですか」
抱き締めた体制から離れた
「それに、仮に復讐に燃える私を緋麻里は…白神の皆は受け入れてくれる?」
緋麻里の目が大きく見開いた



