強がりな元姫様



「翼は休んでいろ」


星夜に肩を掴まれ、再度座らされた


「でも……」


「女の子が遠慮しなくていいんだよ。 すぐに戻って来るから」


塁が言って、二人はその場から離れて行った


「翼ちゃん、ここはお言葉に甘えちゃいましょうか」


「……そうね」


緋麻里と二人で話もしたいしね


「翼ちゃん、何だか柔らかくなりましたね」


緋麻里は嬉しそうだ


「以前よりも表情も物腰も、人を引き付けないというトゲトケしさがなくなった気がします」


「そう?」


「はい!」


緋麻里が言うほどだから、私は変わったって事だろう


「私の情報って、家の事と高校生活前期までだよね?」


「え、あ、はい」


肯定すべきか悩んだろうが緋麻里は縦に頷く


「……実は、お父さんに要らないって言われたんだ。 出ていけってもね」


「!?」


「今は星夜の家にいるの。 そこでいろんな物を知った」


胸元にそっと触れる