「私、人前で涙を見せない主義なの」
くるりと背を向ける
新崎は何も言わずに私の頭に手を乗せた
「泣きたくなったらすぐに俺に言え。 慰めてやるから」
「……気が向いたらね」
170以上はありそう
表情は前髪で分からないけど気遣ってくれてるような気がする
少し上からだけどそれが嬉しかった
「さてと、行きますか。 緋麻里を待たせたらいけないしね」
「あぁ」
私と新崎はその場を後にした
その後は、緋麻里との三人でお昼を食べて帰宅し、一日を終えた
――まさか、この時から既に変わりはじめていたとは、今の私には知るハズもない