「朝っぱらから翼に何してんだよ!」


「いいじゃん。 一目見たかったのよ」


「そんな理由で納得できるか! ……翼、大丈夫か?」


首もとを押さえ、視線を反らした


「お、驚いたけど、私は大丈夫」


全身は見せられないため、頭だけを出して答えた


「それよりも何であたしがここにいるってわかったのよ」


「姉の行動はすでに熟知してる。 弟ナメんな」


「生意気ね」


「――……まぁ、実際は僕が教えたんだけどね」


開いたままの入口からひょっこりと顔を出した男性


「光-ミツル-!」


晴羅さんは慌ててベッドから降りて男性の前に立った


「遅いから心配したよ? 迷子になったんじゃないかと思ったよ」


「ごめんなさい。 つい、眠っちゃてたのよ」


「クスッ…だろうね。 髪、跳ねてるよ」


男性が晴羅さんの髪に触れると、顔が赤くなった