強がりな元姫様



「まどかの自作自演で辞めさせられちゃった」


「言わないのか」


「言っても信じてくれないもの。 私のレッテルは裏切り者だよ?」


笑いながら両手を広げた


「考えても疲れるだけ。 諦めも必要だよ?」


開き直っちゃえばいいんだ、日常を流していけばいいんだよ


表向きならば簡単にできるんだから


「……辛かったな」


「……は?」


新崎の言葉に私の思考は停止した


「どんな事があっても気にしない…とはいっても、心は正直だな」


「何言って……」


「泣きたいほど辛いんだろう? 悲しんだろう?」


「だから、何を……っ」


新崎に抱き締められた


「ここは誰も通らない。 多少の大声も気付かれないだろう」


「……!」


「だから、泣いとけ」


「……アイツラの事で泣きたくないわ」


「あ?」


私は新崎から離れた


いいムードに持って行きたいだろうけど、残念ながらプライドというものがあるのよ