「……今日は、忙しかったのに無理言わせたな。 わかっている、礼はちゃんとするから」


勉強机にはノートパソコンが開いたままだ


「……ん? 翼なら……」


頭だけを動かして、ドアを開けたまま突っ立っている私と目が合う


「……すぐに変わる」


そう言って、星夜が近づいてきた


「電話してたんだ。 私も出たほうがいいの?」


「あぁ」


星夜からスマホを受けとり、耳に当てた


「……はい」


〈俺、塁だよ〉


「どうしたの?」


〈これと言って、大した用はないんだ。 ただ…24日のクリスマス会には強制的に参加だから〉


「……え?」


まさか、塁の口から"強制的"が出てくるなんて


〈絶対楽しいから! 嫌な事は全て吹き飛ばそう。 これで電話切るけど、ここから拒否は受け付けないからね!〉


そこで電話が切れた