強がりな元姫様



「こんなに温かい物を食べたのが久し振り、なんです」


壊れた心に浸透していくような、そんな感じだ


「そうかそうか、ならこれからは温かい物を毎日食べようか!」


朝陽さんの大きな手が私の頭を撫で回す


父親の手ってこんなにも力強いなんて


「……っ」


涙が溢れてくる


「朝陽さんが翼ちゃんを泣かせてどうするんですか!」


「……父さん」


「夜空も星夜もそんな目で見るなよ!」


夜空さんと星夜に冷めた目で見られ、慌て出した


その慌てっぷりがあまりにも面白くて


「……フフッ」


私は泣きながら笑ってしまった


「……翼?」


「す、すみません…朝陽さんの、せいでは、ありませんよ」


笑いながら涙を手で拭う


温かい夕飯も声をあげて笑ったのも久し振りだ


「……翼ちゃん、いつもそうやって笑っていればいいのよ」


夜空さんは優しく微笑んだ