強がりな元姫様



「……あ」


離れた手の温もりがだんだん冷めていくようだ


寂しい、だなんて


こんなの私じゃない


星夜に甘えそうになる自分が嫌になってくる


胸元に手を持っていって一息つき、


「……あの、私も手伝います」


「助かるわ。 じゃあこれ、運んでくれる?」


「はい」


テーブルに次々と並べていく


終った時に朝陽さんが来て、夕飯が開始した


「今日は張り切ってつくったの。 おかわりもあるからね!」


「「いただきます」」


「……いただきます」


どれも、美味しそうだな


それに……


「翼ちゃん、どうしたの?」


「っ、あ…何でもないです」


首を横に振って否定し、スプーンを手にした


スープを一口すすった


「!」


「……お口に合わなかったかしら?」


「っ、いえ…美味しいです」


美味しくて……


ポタッ


「……温かい」


頬に何かがつたった