強がりな元姫様



新崎家に隣設しているのが会社


七階建てであり、会議室や各作業場として設けられている


階段とエレベーターを使いながら各階を見て回った


星夜が隣にいると働いている人達が会釈している


「星夜ってここでも顔見知りがいるんだね」


「まぁ、たまに父さんの仕事を手伝ったりしてるからな」


「朝陽さんの跡を継ぐの?」


「そうなるな」


口元に笑みを浮かべて答えた


「……お姉さんとは仲良いの?」


ピタリと歩みを止めた


「……」


「星夜?」


突然の行動に戸惑ってしまう


「ごめん。 仲悪かった?」


「翼が謝らなくていい。 そうだな、たまに二人で出掛けると親戚からは仲良しだとは言われる」


言いにくそうに周りを気にし始めた


「アネキは可愛い物には目がないんだ。 実際、双子がアネキの"被害"にあった」


「……どういう事?」


被害って言葉が引っ掛かった