「……アネキは?」


星夜は辺りを見渡しながら両親に聞いた


なんだか警戒しているように見える


「聞いてないの? お姉ちゃんは仕事よ。 明日には帰って来るんじゃないかしら?」


「ふーん」


さほど興味のない返事をした


「俺、翼の部屋案内するから」


「はーい。 行ってらっしゃーい!」


「ついでにいろんな所案内してやれよ」


「ん。 失礼しました」


「よろしくお願いします」


頭を下げてから部屋を後にした


「翼ちゃん、可愛いわね。 あの子なら私は賛成よ」


「……星夜はまだ言ってないんだろなぁ」


「星夜は誰かさんに似て一途だもの」


「夜空……」


星夜の両親がそんな会話をしていたとは知るはずもない


一方で私は案内された一部屋の前に立っていた


「ここ、使っていいから」


中は広く、家具が全て揃っている