「……それは、上には言わないのでご安心を。 しかし、忘れなきように」
「……あ、は、はい」
「彼女は俺が引き取ります。 ここにいさせるわけにはいかないですし、異論はないですよね?」
「な、アイツは何もないですよ! 何も特にもなりませ……っ!」
男を睨み付けて黙らせた
「特なんて関係ない。 彼女自身を見てそうしたいと思ったんだ」
翼の心をこれ以上壊させるわけにはいかない
「彼女は貴方のご都合良い人形じゃないんですよ」
いい様にされるなんて俺が許さない
「有無は聞きません。 連れていきますので」
男の言葉を聞かずに書斎を出た
翼はどこにいるんだ?
階段を上って部屋を探す
突き当たりの部屋に到着した
ノックしようとした手を止めて、
ガチャッ
そのままドアを開けた



