家までの間はお互いに無言だった


ただ、繋がれた手は振り払えずにそのままで星夜に引かれるようになっている


家の近くでいつも待ち合わせているから知っているんだよね


なんだか複雑


「家に入る前に翼に事前に話したい事がある」


玄関前で星夜が私と向き合った


「俺は翼に関係する情報を事前に知っていた。 そこで家の事も知った」


「……調べたのは姫だから?」


「調べたのはそれ以前からだ」


「!」


「幹部は皆知っている。 だけど、同情したからじゃないのは分かって欲しい」


「……今までの皆を見てきたから、それは分かってた」


孤独を感じていた時間を消してくれたんだから


毎日が早く過ぎて欲しいと思っていた時間が嘘みたいに毎日が長くあって欲しいと願うようになった


「……星夜達に会わなかったら、私は笑えなかった」


一生笑う機会がなくなってたかもしれない