強がりな元姫様



「何もしてない。 まどかが自分で叩いたの」


「嘘つくなよ!」


「本当よ!」


――やっぱり、信じてくれないんだ


フツフツと怒りが湧いてくる


「まどかちゃん!?」


「どうしたんだ……って、腫れてるじゃねぇか」


後から、保、浩輔、舜、大河が歩いてきた


保と浩輔が血相を変えてまどかに駆け寄る


「ふえっ…翼ちゃんが"雛菊の姫辞めろ"って殴ってきたの」


「……!!」


ここでもまどかの演技が通じる


「やっぱり嘘じゃねーかよ!!」


翔太が私につかみかかる


「嘘じゃない。 やってないよ! 信じてよ!!」


後ろにいる舜や大河に視線を向けた


だけど、


「……信じられっかよ」


否定的な言葉を述べて視線をそらした大河、感情の籠らない目を向ける舜


「翼はまどかちゃんをこんな目に合わせて何がしたいの?」


保がまどかの肩を抱いて私を睨んでいた