「翼ちゃん、取れましたよ」
「あ、ありがとう」
どうなっていたのかは分からないけど、落ち着いた感じがする
「……"生き様が似てる"、か」
冴木鸞は愛されたいために人格を作り替えた
私は愛されたいために勉強、運動を頑張った
私は絶対に否だと思う…似ているだなんて思えない
冴木鸞は継母には愛されていたじゃない
私は……
──♪♪
私のスマホが鳴り響いた
ディスプレイを見て胸が高鳴った
ピッ
「……はい」
〈……俺だ〉
ドクンッ
本当に久し振りに聞いた、"お父さん"の声
「ど、どうしたの?」
家の中で聞こえるのは妹に、母に値する人に対してだった
今は電話越しだけどお父さんの声が私に向けられてるなんて
スゴく、嬉しい
〈話がある。 すぐに帰ってこい〉
「わ、わかった」
電話を切り、すぐにバックを手にした



