「俺は、それも探してるんだ。 俺の力じゃ時間はかかるけど諦めないから。 俺、もう帰るね!」


バックを抱えて個室のドアを開ける


「浩輔! 私も出来る限りの協力はしたい。 それと、ごめん」


「謝んなくていいよ。 俺、頑張るから!」


浩輔か肩越しに笑顔を見せて、個室を飛び出して行った


「翼、優しいね。 協力するって言うなんて」


「……ただ、まどかが許せないだけ。 人を利用して何が楽しいのか理解できないわ」


「ふーん」


人格が変わるとこうも掴めなくなるもの?


口元で手を組んで私を見ている冴木鸞から顔をそらした


「……オレと翼って似てる気がする」


「……どこか?」


いきなり言われてもどう対応すればいいのか分からない


見た目も中身も生まれも全て違うのに


「オレと同じ匂いがする」


「匂い? 香水なんてつけてないわ」


「……そっちの匂いじゃないよ。 なんというか……」


「!」


冴木鸞の手が私の髪に触れた