「俺、さ…その日から翼は本当にまどかをあんな目にあわせたのかって疑問に思い始めて、コッソリと後をつけてみたりした」
「……は?」
「「「「……」」」」
異様な空気が漂いかけた所で浩輔が我に返り慌てだす
「家まではつけてないから、学校内だけだから!」
「つけていたのは否定しないんですね」
緋麻里は目の敵のような目でジッと浩輔を見据える
「ご、ごめん! 悪いとは思ったけど、翼は裏切ってないってわかったんだ!!」
テーブルに頭を付けて謝罪の意を表した
「それがわかってからどうすればいいのかわからなくて、翼が責められた時…まどかを理由に逃げていた」
グッと手に力が入っていく
「情けなくって、弱いからって逃げて…嫌だった。 翼に比べたらそれほどにもないのに、それすらも気づかなかった。 そんな時に、[舜]に…鸞に声をかけられた」
頭を上げて、見えた表情は意を決しているようで、さっきまでの浩輔とは別人に思えた



