「いや~、総長さん。 遅い登場で」


「……翼から離れろ」


星夜の声のトーンが低くなった


「それは嫌だな。 抱き心地いいもん」


「っ!」


すり寄られて身体が跳ね上がる


「いいから離れろよ! [伍崎-イツザキ-舜]、いや[冴木鸞-サエキ ラン-]!!」


星夜が声をあらげて舜に掴みかかった


その直前に腕から逃れた私はすぐ側の電柱の所まで逃げた


「はじめはまさかと思ったが、改めて見ると核心せざるおえないな」


「それはこっちのセリフだよ。 こんなダサイ人がまさか伝説の総長だとは思わなかったよ」


「こ、これは変装だ! 生憎、俺らは雛菊に関わる気はない」


「……そう言えば、知らないんだね」


何かを思い出したように表情を変えて、少し離れた所で今の光景を見て呆けている浩輔の背中に回る


「[舜]と浩輔は雛菊を抜けました」


「……は?」


唐突なあまり、理解するまでに時間がかかった