顔の知らない妹を中心にお父さんと母に値する人が執事とメイドと盛り上がっていく


私はコッソリと家を出て商店街のクリスマスツリーをただ眺める


見向きをされなかった日からずっと


「翼ちゃん、24日あけられますか?」


「大丈夫だよ」


年中暇だから


緋麻里には家の事は話していない


いつか言おうと思っている


「24日って何するの?」


「お楽しみ会です! その翌日は白神の倉庫でクリスマスですよ!」


「それは楽しみね」


私は今、笑えているだろうか


ふと、曲がり角に人影が見えた


「……!!」


「あっ!」


私も緋麻里も気付いて歩みを止めた


曲がり角にいたのは雛菊の幹部である浩輔だった


「……久し振り」


浩輔は周りを気にしながらそういった


「……翼ちゃんに何か用ですか?」


緋麻里の纏う雰囲気が変わった