「緋麻里、何で泣くの?」


「こ、これは嬉し涙です!」


「よく泣くよねー」


翡麻里と塁は緋麻里の頭を撫でていた


「緋麻里は転校する前はよく電話で翼の事話してたんやで。 あたしじゃ力不足、とか言って電話越しで泣いとってたんや」


「そんな事ないよ。 緋麻里がいたから私はここにいるの。 緋麻里がいなかったら私は人を信じられないままだった」


「翼ちゃーん!!」


「緋麻里、泣くか喋るかどっちかにして」


「涙腺崩壊、かな?」


「自然に止まるまで時間がかかるからな。 中に入るぞ」


「はーい」


「何か冷やすもん持って来るで!」


「行くよ、緋麻里」


次々と中に入っていく


「……私、笑う事できたんだね」


ポツリと言った言葉に星夜はなにも言わずに笑う


その仕草になぜか胸が高鳴った


「翼?」


「……なんでもないわ」


この気持ちに疑問に持ちながらも私は後を追いかけるように幹部室に入った