「……」


なぜ、私は新崎と教科書を見せ合っているのだろうか


発注してまだ届いていないのはわかる


「高岸と教科書見せ合いっこしろ」


普通、隣でしょ


新崎の隣であろう女子を見る


女子は教科書で顔を隠して他人行儀をした


「……いいのか俺に見せて」


「いいのよ。 高校の授業は余裕だもの」


高校入ってからはノート取ったことないし


机に肘を乗せて黒板に視線を移す


「……緋麻里の知り合いでしょ?」


「あぁ」


「幼なじみなの?」


「いや、大事な奴らだ」


「奴ら?」


「明日に来る。 三人な」


三人…多いな


「それで担任に言われた。 昼休みに学校案内してもらえと」


「何で私が?」


「一人でいるからだと」


淡々という新崎にムカッとした


「好きで一人になったわけじゃないし」


と、独りでに呟いた