「こんな所にいたんだ」
はしゃぐような口調で近付いてくる
「……まどか」
「あーぁ、右手血だらけじゃない。 汚いからまどかに触らないでね」
俺は、まどかの本性を知っている
知ってしまったからこそ握られてる
だから、俺は従うしかないんだ
何があってもまどかの味方にならないといけない
あの時も、自販機の出来事もまどかの自作自演だと分かっていた
分かっていても俺は先頭に立って翼を責めるんだ
自分の本音を偽って
まどかがいる限り、俺は反対の自分でいるしかないんだ
やめたい
俺が憧れた存在とはだんだんとかけ離れていく
いつになったら戻れるんだよ
「まどか、大河と付き合う事になったんだ」
サラッと言った言葉に俺は驚きを隠しきれなかった
「"ちょっと"脅しをかけたら肯定してくれたの」
あれのどこかちょっとだよ