「……浩輔」


僕はすぐに寄った上体を起こさせた


「大丈夫?」


舜は顔を覗き込む


「うん。 スッキリした」


腹をさすりながら笑みを浮かべようとしたのだろうが痛みに歪ませる


唇が切れていて血が流れていた


「浩輔…本当なの?」


浩輔がまどかちゃんの行動に不審だと思う事が


「……保は?」


「……分かんないよ。 浩輔に言われておかしいと思った。 だけど、何の為にまどかちゃんがそんな事するの?」


もう、頭の中がぐちゃぐちゃだ


僕の手の上に浩輔の手が触れた


「ごめん、それは分からない。 だけど、雛菊を抜けたからこそ調べられると思うんだ」


「!」


浩輔の目には決意の表れがあった


「俺は何もできないし、得意な物なんてない。 それでも全力で行くよ。 そして、翼の無実を証明する!」


僕が見たのは、面影を残しながらも心の強い姿だった