空き教室にいるのは翔太、浩輔、舜、と僕を合わせての四人


大河とまどかちゃんはまだ来ていない


「……もう一度言ってみろ」


「だから、今の雛菊にはいたくないんだよ」


翔太に苦手意識を持っていたハズの浩輔が目を逸らさずにハッキリと言ったのだ


益々、分からなくなった


眉間にシワを寄せる翔太


「……舜もか?」


「うん」


ドア付近に頭の後ろで手を組んでもたれかかっている舜は頷いた


え、笑った?


常に無表情の舜の表情が崩れていて気味が悪い


「俺らの間で溝ができてんだ。 今じゃ深すぎて埋められない…それ程に深刻なんだよ」


溝? そんな風には見えなかったけど


「大河と翔太の間になにがあったの? いつも睨み合っていて、会話もないなんてただ事じゃないよね?」


「!」


それは僕も気になってた


前に翔太に聞いてみたけど「何でもない」と言われてしまったんだ