私は差し出される手をとる事なく、自分の膝の上に置いた
「……じゃあ、条件を呑んでくれたらいいよ」
「条件?」
星夜は手を下ろした
そこに内心ホッとする
「条件とは何だ?」
それは……
「後期中間テストで皆が50位以内に入る事」
本当は条件なんてなくてもいい
だけど、考える時間が欲しい…なんて言えない
その為だけに言ってしまった
「引き受けた」
肯定を取ったにも関わらず星夜は真顔だ
「へ?」
「50位以内なら余裕だろう、なぁ?」
「俺は大丈夫だよ」
「あたしもその条件なら呑めます」
星夜の言葉に塁と緋麻里が賛成し出す
「俺も大丈夫!」
「僕も!」
「俺も!」
奏汰、孝明、幹二まで手を挙げて言っていた
「……決定だな」
「……」
笑みを浮かべる星夜に私は何も言えなくなり、条件をつけてしまった事に後悔した