強がりな元姫様



「だって翼ちゃんを助けるのは当たり前だもん」


「そうですよ!」


両サイドから緋麻里と翡麻里が抱きついてきた


この頃、双子によく抱きつかれるなー


「……さっきは反応できなくてすまなかった」


「……それはいいよ」


灰色の瞳と視線が合った


「翼」


改まったようで、だけど真剣なあまり顔を逸らす事ができなかった


「俺達の…白神の姫にならないか?」


「っ」


息が詰まりそうになった


「辛い出来事はあると思うが、それでも俺達は翼を姫として迎えたい」


高鳴っていく鼓動


「無理にとは言わない。 嫌なら断ってくれても構わないから」


私に近付いてスッと手を差し出した


「……承諾したいならこの手を取ってくれ」


「……」


私はこの手をとるべきなんだろうか?


皆を信じたい


だけど、私は守られるべき存在じゃない


どっちが正しいのかな?