強がりな元姫様



座ったまま壁にもたれていると三つの陰が私を夕日から遮られる


頭をあげると廊下で会った三人が立っていた


怒っているようで悲しんでいるようで……何だか複雑そうな表情だ


「……今の話はどういう事だ?」


真ん中の男が口を開く


「女同士の会話を盗み聞きしたの? 趣味悪いね」


「!? お前に声かけようとしたら聞こえちまったんだよ!」


「タイミングの問題だよ」


左にいる男に続いて右にいる男が言った


「……信じられない。 雛菊の姫があんな性格だったなんて」


「私の前限定だよ、周りに誰もいない時にね」


今回は偶然だけど、いつもは向こうから近づいてくるし


「……噂の信憑性が分からなくなってきた」


そう言えばこの三人は信じる側だったね


知っていて改めるのも無駄だと思うけど


「……私はやってない。 周りがどう言おうとも否定し続けるわ」


これだけは言いたいんだ