「……仮病だったか?」
俺の言葉に幹二は首を横に振った
翼は深く眠っているようで目を覚ます様子がない
今はそれでいい
「確かに、彼女に関しての噂は全学年に広まり、皆がそれを信じている。
だが、本当に噂は真実だと思うか? 少なくとも俺は否だ。
なぜなら、彼女を信じているからだ」
「……あたしもです。 初めて話をした時、彼女は噂通りじゃないとわかりました。
皆が噂の彼女を信じるあまり、真実の彼女を誰も知ろうとしないんです。
あたしだったらそんなの耐えられません」
緋麻里は両手を握りしめて主張した
「「「……」」」
三人は黙り込む
「俺と緋麻里達を思っているのは分かる。 無理に俺の言葉を通す訳にはいかない。
なら、実際にお前らが彼女と関わればいい」
翼と三人はクラスが違う
一度でも話をしたら考えが変わるかもしれない



