「俺がこうしている事に不満か?」


「……はい」


答えたのは孝明


奏汰と幹二は俯いているが同じ答えだと思う


「手を離して下さい。 見ているだけで不快です」


「……俺にか?」


孝明は首を横に振る


「寝ている奴にです」


「……それは彼女が雛菊の元姫で裏切り者と言われているからか?」


`……!´


理由は聞かなくてもわかっている


だけど、


「そんな理由だったら俺はこの手を離さない」


繋いでいる手に軽く力を入れた


「なんでですか! きっとコイツは隙につけ込んで総長に取り入ろうとしますよ!」


「幹二、保健室だよ。 それに、寝てるから」


翡麻里が落ち着かせようと幹二を宥める


「どうせ、仮病でしょう? 皆さんに心配されたい為に……!」


翡麻里を押しのけて翼の肩を掴んだ


揺り起こそうとしたのだろうがそのまま肩を掴んだ手を離した