横に長いタンスの上に置かれた写真立てを見た
小さい頃の私、数年前まで優しかった父と私の母親と三人で写っていた
母親と瓜二つの容姿
これも愛されない理由なのだろうか……
ポタッ
「……っ」
昔に…戻りたい
父の会社は昔は世界に進出するほどではなかった
貧しくても父は私を可愛がってくれた
休みの日は遠くなくてもどこかへ連れて行ってくれた
狭いアパートで川の字になって眠るのが好きだった
だけど、会社の事業が成功してから父は変わってしまった
家族より会社を優先するようになり、母との口論が日常茶飯事となり
ついに耐えきれなくなった母は家を出て行った
私は学校でも友好関係は築けず家でも学校でも孤独を感じていた
それから私が小三の頃に父は再婚、妹が生まれた
同時にこの家に越してきて父と新たな母は妹だけを可愛がるようになった