「芸能界に入って歌手もやれば…」

「私もそうやって考えた。

考えたし…麗都や麗牙にも勧められた。

それに…お父さんだってそうやって生きていけば

私に負担は少ないって言ってくれた。」

「じゃぁ…」

優が安心したように言うと蓮唯は首を横に振り言った。

「そんなに甘くないの。

私が行こうとしている業界はそんなに甘くない。

楓さんの言葉でわかったから。」

橘 楓。

蓮唯の叔父にあたる人物であり、美麗の弟。

「私は自分の力であの業界で生きたいの。

だから…」

「そっか…。はぁー…。

やっぱり蓮唯には敵わないなぁ…。」

「え?優どうしたの?」

蓮唯がそう言うと優は一息ついて蓮唯と向き合った。

「ふぅ…蓮唯…。」

「はい?」

蓮唯は突然真面目になった優を前に少し戸惑う。

「なになに?プロポーズ??」

いつもの陽気な蓮唯に戻る。

「別れよう。」

「えっ…?」