「ごめんね。待った?」

いつもどおりの蓮唯。

笑顔で、強い蓮唯だった。

「いや、今来たところだよ。」

優は嘘をつく。

「そっか。」

「蓮唯…。」

「ん?なに?」

「いや…髪、伸びたな…。」

「え?あぁ…。うん。

初めて会った時は肩より少し長めだったよね。」

「あぁ。」

「ま、優を待たせなくてよかった。」

「ありがとう。帰ろうか。」

「うん。」

(あと何回…優とこうして歩けるんだろう…。

…私は…どちらを選ぶんだろう…)


(あと何回…蓮唯とこうして歩けるか…。

蓮唯の夢だから俺は応援したい。

けど…離れてしまうのかな…)

お互いがお互いを思い合う。

優には優の思いがあって、

蓮唯には蓮唯の思いがある。

優はこの時気づいていた。

もしかしたら…蓮唯は自分じゃない方を選ぶんではないか。

と………………。