蓮唯が二階に駆け上がって二時間が経った今。

リビングでは麗都が頭を抱えていた。

「くそっ…!」

(俺だって諦めてなんて欲しくねぇよ…

だけど蓮唯には…苦労してもらいたくねぇ…)

「どうすればいいんだよ…っ」

麗都は隠しきれないイライラを沈めようと

家を出た。

〝バタンッ〝

麗都が出て行った音を静かに聞く蓮唯。

(私はどうすれば…)

「っ…うっ…」

こみ上げる悲しさと何もできない悔しさで

涙が再び蓮唯の枕を濡らす。

何度も何度麗都の〝諦めろ〝

そんな言葉が蓮唯の耳を壊していった。

初めて優と気持ちが通じ合った日は最悪の日となったのだ。