ある日、

いつものように蓮唯は

優が学園を通るのを校門の前で待っている。

「はぁー…」

寒空の下かれこれ1時間は待っている。

蓮唯は冷たくなった手を白い息で温める。

「はぁー…」

時折スマホで時間を確認しながら………。

(遅いなぁ…)

スマホの時間はもう7時。

連絡が来たのは5時。

とっくに来て良い時間だが優は一度も校門の前を通っていない。

『今、どこにいるの?』

蓮唯は心配になり連絡を送った。

数分も経たないうちに帰ってきた返事。

『もうすぐ行くよ』

何もないただの返事。

それなのに蓮唯は嬉しくなる。

別に恋人同士だとかという関係でもないのに…。