「あ、迎えの車は麗都に頼んであるわ!!

さぁ、早くドレスに着替えちゃいなさい!!」

「ま、待って!!お母さん!

私…芸能界には入らないって…」

蓮唯は困ったように言った。

「蓮唯はそう言っていたけど…。

やっぱり入っておいたほうがいいんじゃないかしら…?

私はあなたの夢を応援しているけれど…。

ここで歌っておいたほうが後々、楽になると思って…」

(お母さんがこんなに考えてくれていたなんて…)

「それに蓮唯小さい頃はよくテレビ出ていたのよ?」

「は…?」

「CMのうたとか…歌っててね。

だからいいんじゃないかしら?」

美麗は笑顔で言うと玄関を出た。