「あの子…落ちたのかな…?」

朱音はそう言って女の子を見る。

そこにいたのは桜の花を見つめる女の子。

これが私と君の出会い。

蓮唯はその女の子に近づいた。

「ねぇ!!」

女の子は驚いて蓮唯を見る。

「あんたここの受験生?」

蓮唯が聞くと女の子は

「え…?や、いや…そのっ…ここの学校の桜が綺麗だから見てただけです…!」

「学校は?」

蓮唯は聞く。

「こ、紅鳥高校です…けど…」

「こっ!?」

(紅鳥高校ってこの県でトップの学校じゃん!!
全国でも上位の学校って聞いてるけど…)

「?」

勝手に慌てている蓮唯を不思議に見る女の子。

「あ、あんた名前は?私は古都凪 蓮唯!」

「え…えぇと…雅司 優(まさじ ゆう)…です…」

雅司 優と名乗った女の子。

「え?男…?」

「?はい。」

訂正、雅司 優と名乗った男の子。

蓮唯は優の全身を見ていう。

「…頭良さそうに見えないけど…ホントに紅鳥高校なの?」

蓮唯は険しい顔でいう。

「・・・・」

優は蓮唯の顔を見て目を潤ませた。

〝ぶわぁ〝

「ちょっ!!な、何泣いてるの!?」

「だって…だってぇ…」

「わ、わかった!!あんた男でしょ!?ほら、笑って!!
私と同じ顔して!!」

そう言って蓮唯は笑う。

「…ふふ。」

優は蓮唯の顔を見て笑った。

「ほら、笑えた。笑顔の方がいいに決まってるでしょ?」

蓮唯が言うと優は笑顔になり「うん」と言った。